アルバムに写真を張っていたが、これには飽き足らず、何か違ったものにしたかった。そこで自分の写真を切り抜き、貼ると同時に写真以外の紙片を貼ったり、写真を横にして貼った(写真をアクセントとして使った)りした。これがすべての始まりです。
自分や友人の写真が中心ですが、全体的に、別な印象を作り出したいと考えた。
まだ自分の写真が入っているが、写真とは別な何かを表現しようとした。
ここでは本人の写真はもう入っていない。それでもまだ友人の写真を入れている。抽象化がまだ不十分であるが、年号を入れ、空白を大きく取り、意味のない文字で作った赤い横線を入れたりし、独特の印象を出そうとしている。
ここでも友人の写真が入っているが、後ろ姿である。より抽象化を進めたかったのであろう。ここで初めて印刷の絵画を取り入れた。集合写真も入っているが、小さくしてあるし、この写真は1956年の物である。わざわざここにこの写真を移動させたのである。
いよいよハイパー・プリント・アートの始まりである。
”若い女性たち”
The Hyper Print Art 作品 1
抽象化がさらに進み、知り合いはもはや映っていない。ここは槍ヶ岳の頂上である。この写真は1953年に取ったものだが、わざわざここに持ってきて、
上と下に印刷物から切り取ったものを付け、新たな印象を作り出した。